受験生へ
「出題された問題をどこまで<読解>できるか」がテーマだ。
解答が正しいかどうかではない。
入学の後、出題の<意図>をどこまでさかのぼれるかと言っているのだ。
数学でも英語でも国語でもいい。
それらの問題が成り立っている<根拠>を問え。
これが始まりだ。君たちがこれから先、各々の学校で学びうる(?)唯一の問いがこれだ。
もしその成立の根拠を問わないならば、君たちは学生足りえない。
詳しいことは言わない。どういう岩盤に出会うか、各自の奮闘を期待している。
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「理解して先へ進む。」
学ぶというのは、『まねる』が始まりなのだが、まねることがそのまま『学ぶ』にはならない。
まねる過程〈なぜ〉、どうしてそうなの?という問いがあって、考える段階があらわれる。考
えるときに自分の知識や情報を頭の中からひっぱりだして、ことばを組み立てるのだ。この
過程が『理解する』ということにつながっているのだ。
理解は、形式を覚える暗記ではないから、ことばの組立てなので忘れることはない。
一時的に想起できなくても、手がかりの一つでも思い出せれば、あっという間に全体(の構
造)が浮かんでくるだろう。
新しい情報や知識の断片を先へ先へと進んで取り込むことは大切だ。しかしそれは、自分
のすでに理解している知識とぶつかったり、補い合って初めて意味を持つのだ。だから、先
へ先へとともに、自分の中へ深く、深く降りていくこととともにでなければならない。情報を知
ることと、知識を理解することを同時に行うべきなのだ。〈考える〉というのは、こういうところ
で始まるのだ。
〈新しい知識や情報は、今まで自分の持っている知識で耕すこと。〉