トライアングル・トリップ
Ⅰ トライアングル・トリップ
君たちの「成長の旅」を三角形と世界(社会)との関係で一望しよう。
①自力で成長する。
家庭の中で守られている期間は〈自分〉のことだけを考えている。
衝突があっても自分の周りが引いてくれる。〈我〉が許される環境である。このトキは『肯定と小さな反抗』の繰り返しなので深刻な事態にはならない。
安定した環境の中で自分の力を少しずつ意識しながら成長する。
身体と心がバランスをとった同じような発育の中で〈自分〉を見出している。
②新しい環境に出会う ~小さい自我~
三角形の先端が出っ張りはじめる。
社会性の第一歩。好奇心が旺盛になってくる。
新しい環境、新しい友達、先生に出会って、自分の心が簡単にはコントロールできなくなる。まわりとの関係が波立ってくる。
小学校という新しい〈世界〉の中で初めて自分ではない人格に触れる。自分と他の人との違いや同質性に気づきはじめる。
選り好みの自己主張、友達づくり、協調、反撥、好悪がストレートにでてくる。
③世界が広がり〈現実〉に気づく
中学生から高校生、大学生の時代。思春期が始まる。
いろいろな場所で対立し、自分の精神も逆立ちするようなシーンに出会う。世界が広がり、楽しいことと不安なことが交錯し、揺れの時期が始まる。大人になるためのモラトリアムのときである。危険や現実の厳しさに直面し、世界の客観性と自我の主観性が対峙する。
このトキの苦しい時間をどう過ごすのかによって、自分のカタチが決められる。闘うのか妥協するのか、エスケープするのか、後ろに下がって〈事態〉を見ているのか、さらに冒険を続けるのか。
生涯の自分のカタチが基礎付けられる。
自我が関係の意識として自覚される。学校という擬似社会が、外の現実社会に守られていれば、どんな困難に合っている自我もソフトランディングするところを見出すと思われるのだが、実際すでに学校という制度が内側からも外側からも現実社会の波をもろに被っていて、ひとつの自我が受け入れられるような半端なものではなくなっている。大人の社会が直に子供を襲い、急激に少年少女を大人にしてしまう。TV、本、受験、ケータイ他、ほとんどの子供は風俗にまみれることになる。
この時期は言うまでもなく自我が自分を内包し心の壁を作り始める〈反抗期〉である。
大人との関係は一対一の人と人の関係ではなく、自我と〈世界〉との対立となる。親、先生との関係は、従来の好き嫌いの感情のレベルから少し理屈の、つまりことばのところへスライドする。この時期の〈ことば〉は同じことばでも子供の感知していることばと実際的な大人のことばは全くといっていいほど異なっている。
大人にできることは、じっと後ろに引いて見守るか、放っておくか、あるいはいろいろな方向を示すかぐらいしかできないのだろう。あまり関与しても地震メカニズムのようにズレ、ブレ、エネルギーの放出、爆発しか引き出せないかもしれない。
君たちが知っておくべきは、自分のこの時期の心的エネルギーがどこからやってきたのか、イマの時間の先にどういう筋道があるのかということ。そして他者(性)、世界をどう理解すべきなのか、その為には何をしたらいいのかということだ。
受験やゲームの最中でも、問い続けることだ。問い続ける行為を〈青春〉といってもいい。
いろいろな場所で対立し、自分の精神も逆立ちするようなシーンに出会う。世界が広がり、楽しいことと不安なことが交錯し、揺れの時期が始まる。大人になるためのモラトリアムのときである。危険や現実の厳しさに直面し、世界の客観性と自我の主観性が対峙する。
このトキの苦しい時間をどう過ごすのかによって、自分のカタチが決められる。闘うのか妥協するのか、エスケープするのか、後ろに下がって〈事態〉を見ているのか、さらに冒険を続けるのか。
生涯の自分のカタチが基礎付けられる。
自我が関係の意識として自覚される。学校という擬似社会が、外の現実社会に守られていれば、どんな困難に合っている自我もソフトランディングするところを見出すと思われるのだが、実際すでに学校という制度が内側からも外側からも現実社会の波をもろに被っていて、ひとつの自我が受け入れられるような半端なものではなくなっている。大人の社会が直に子供を襲い、急激に少年少女を大人にしてしまう。TV、本、受験、ケータイ他、ほとんどの子供は風俗にまみれることになる。
この時期は言うまでもなく自我が自分を内包し心の壁を作り始める〈反抗期〉である。
大人との関係は一対一の人と人の関係ではなく、自我と〈世界〉との対立となる。親、先生との関係は、従来の好き嫌いの感情のレベルから少し理屈の、つまりことばのところへスライドする。この時期の〈ことば〉は同じことばでも子供の感知していることばと実際的な大人のことばは全くといっていいほど異なっている。
大人にできることは、じっと後ろに引いて見守るか、放っておくか、あるいはいろいろな方向を示すかぐらいしかできないのだろう。あまり関与しても地震メカニズムのようにズレ、ブレ、エネルギーの放出、爆発しか引き出せないかもしれない。
君たちが知っておくべきは、自分のこの時期の心的エネルギーがどこからやってきたのか、イマの時間の先にどういう筋道があるのかということ。そして他者(性)、世界をどう理解すべきなのか、その為には何をしたらいいのかということだ。
受験やゲームの最中でも、問い続けることだ。問い続ける行為を〈青春〉といってもいい。
④世界の中に
社会に入ることもままならない時代である。
生活のために、生きていくために、君たちが社会に何をもたらすのか。社会は君たちをどう扱うのかはあらかじめきちんと勉強(いいか、勉強だぞ)しておく必要がある。
社会が君たちにではなく、君たちが社会にどんな寄与ができるのかを考えておく。(どこかで聞いたようなではない。むかしむかしからそうなのだ。)必要ならば、社会の軸芯に手をかけて廻してしまうこともあるのだ。改革や刷新ではない。〈革命〉である。字義通り、命を革めることによって社会の再生を計らねばならないこともあるのだ。半可通のカクメイではない。
現在という時代がどのような状態なのかは、自分の生きてきた道をふり返って考える。時代はいつも現在を当君たちの中にあるのだ。
三角形の君たちの3つの頂点が、つまり知、情、意のエッジ(先端)が鈍くならないことを願っている。三角形を内在させている地が揺れているのだ。地とともに、跳ねて踊るのだ。「さぁ、ミュージック!」・・・とはならないなぁ。
とても〈安定〉などとはいえない状況だ。いずれ君たちが主役の時代なのだ。今のうちに勉強法を徹底的に身につけておきたまえ。
生活のために、生きていくために、君たちが社会に何をもたらすのか。社会は君たちをどう扱うのかはあらかじめきちんと勉強(いいか、勉強だぞ)しておく必要がある。
社会が君たちにではなく、君たちが社会にどんな寄与ができるのかを考えておく。(どこかで聞いたようなではない。むかしむかしからそうなのだ。)必要ならば、社会の軸芯に手をかけて廻してしまうこともあるのだ。改革や刷新ではない。〈革命〉である。字義通り、命を革めることによって社会の再生を計らねばならないこともあるのだ。半可通のカクメイではない。
現在という時代がどのような状態なのかは、自分の生きてきた道をふり返って考える。時代はいつも現在を当君たちの中にあるのだ。
三角形の君たちの3つの頂点が、つまり知、情、意のエッジ(先端)が鈍くならないことを願っている。三角形を内在させている地が揺れているのだ。地とともに、跳ねて踊るのだ。「さぁ、ミュージック!」・・・とはならないなぁ。
とても〈安定〉などとはいえない状況だ。いずれ君たちが主役の時代なのだ。今のうちに勉強法を徹底的に身につけておきたまえ。
Ⅱ 世界へ繋がる
2つの三角形の組織論
①協力する。
自分と他の人が同じでないことは誰でもよく知っている。それでも自分がしたいことは他の人もしたいと考えてしまう。自分は善意なのだと思っても、他の人の迷惑になることもある。他の人は別のことを欲しているということもあるのだ。
自分が自分であると思っている根拠は、必ずしも他の人の根拠ではないこともある。自分を根拠付けているものはその人だけのものなのだ。
まずこのことを認め合おう。自分と他の人がそれぞれの根拠の上で立って自立しているのだ。そこから面と面を擦り合わせて協力していく。依存しもたれあうのではない。ひとりで立つのだ。孤立して後、他の人や相手が見えてくる。
この平行四辺形は強い。どこから押されてもそうやすやすとは動じない。君たちもこのような友を選ぶことだ。
もちろんそのような友に選ばれるかどうかは、君の自立(の根拠)にかかっているのだ。
自分が自分であると思っている根拠は、必ずしも他の人の根拠ではないこともある。自分を根拠付けているものはその人だけのものなのだ。
まずこのことを認め合おう。自分と他の人がそれぞれの根拠の上で立って自立しているのだ。そこから面と面を擦り合わせて協力していく。依存しもたれあうのではない。ひとりで立つのだ。孤立して後、他の人や相手が見えてくる。
この平行四辺形は強い。どこから押されてもそうやすやすとは動じない。君たちもこのような友を選ぶことだ。
もちろんそのような友に選ばれるかどうかは、君の自立(の根拠)にかかっているのだ。
②重くなる。
③スターになる。
②重くなる。
自分の三角形の中に相手を丸ごと受け入れる。もちろん相手の三角形の中に自分も入ってしまう。この関係は一心同体である。これは重い。全面で結びついているからそう簡単には分けられなくなる。だがそれぞれは自立している。同じではない、自分と異なるが故に重なり合うのだ。
これは少し複雑だ。実際に体験するしかないかなぁ。これは一種の才能の問題かもしれないな。(十分に注意したまえ。?)
③スターになる。
このような関係が作れればもう世界は君のものだ。この相手の頂点に自分の辺を置いて六角形になれば、ほらスターだ。どのようにも回転できる。外のものもいくらでも吸収できる。この仕掛けはどんどん大きくなり重くなり、そして回転力で空をも飛べるようになる。エネルギーを創りだすダイナモなのだ。
具体的なシーンは君たちがイメージし、実際に作りだしたまえ。
この二つの三角形はその重なりの中に無数の三角形を組み込んでいる。大きさも変幻自在だ。
そうだ、世界を生み出す〈原理〉になるぞ。どうすればいいかは自分で考える。
自分の三角形の中に相手を丸ごと受け入れる。もちろん相手の三角形の中に自分も入ってしまう。この関係は一心同体である。これは重い。全面で結びついているからそう簡単には分けられなくなる。だがそれぞれは自立している。同じではない、自分と異なるが故に重なり合うのだ。
これは少し複雑だ。実際に体験するしかないかなぁ。これは一種の才能の問題かもしれないな。(十分に注意したまえ。?)
③スターになる。
このような関係が作れればもう世界は君のものだ。この相手の頂点に自分の辺を置いて六角形になれば、ほらスターだ。どのようにも回転できる。外のものもいくらでも吸収できる。この仕掛けはどんどん大きくなり重くなり、そして回転力で空をも飛べるようになる。エネルギーを創りだすダイナモなのだ。
具体的なシーンは君たちがイメージし、実際に作りだしたまえ。
この二つの三角形はその重なりの中に無数の三角形を組み込んでいる。大きさも変幻自在だ。
そうだ、世界を生み出す〈原理〉になるぞ。どうすればいいかは自分で考える。
Ⅲ 〈三角形〉で学ぶ
『三角法スタディ』
なぜ三角形なのか?
■1つの視点(ものの見方)は、ひとつの道をたどるだけで追認し覚えるだけである。
■2つの視点は2項対立の構図で2つの視点が鮮明になる。対比によりポイントが見やすい。
しかし動きがない。新たな展開に乏しい。
■3つの視点はそれぞれが他の2つのベクトルを引き受けるので対立の図式をもうひとつ上の
視座から見ることができる。
問題あるいはテーマを三つの視点から浮かび上がらせる。
さらにそれぞれの視点を二つのベクトルで囲むことができる。
二つのベクトルは視点のひとつひとつを下位あるいは上位に分岐させる。
このパターンはさらに無限に広げていくことができる。
思考を拡張させる、あるいは集中させるのにこの三視点法を使う。
基本の形の使い方がわかったなら、応用系を工夫する。アレンジしておもしろく使うといい。
■2つの視点は2項対立の構図で2つの視点が鮮明になる。対比によりポイントが見やすい。
しかし動きがない。新たな展開に乏しい。
■3つの視点はそれぞれが他の2つのベクトルを引き受けるので対立の図式をもうひとつ上の
視座から見ることができる。
問題あるいはテーマを三つの視点から浮かび上がらせる。
さらにそれぞれの視点を二つのベクトルで囲むことができる。
二つのベクトルは視点のひとつひとつを下位あるいは上位に分岐させる。
このパターンはさらに無限に広げていくことができる。
思考を拡張させる、あるいは集中させるのにこの三視点法を使う。
基本の形の使い方がわかったなら、応用系を工夫する。アレンジしておもしろく使うといい。
〈基本となるポイント〉①
1.対象
2.時間(期間)
3.計画
基本型の『原型』となるポイントは
ふだんから考えておく。
〈what ・ how ・ time〉
なにを どのように いつ(までに)
それぞれの広がりや展開の仕方は『麒麟伝』に詳しく具体的に書いてあります。
参照しながら『三角形増殖法』を学んでください。
①『知っておくべきこと』
(どんな知識が必要なのかを考える。ポイントは3の累乗にする。)
基本形の使い方
例)『受験』
1.知っておくべきことを三つ考える。
①『受験』(するとはどういうことか。
②『方法』(は?)
③『計画』(をつくろう)
2.各点のラインに応じて『何をすべきか』を書き出していく。
全体のバランスを考えて、ひとつの点が延びすぎるときは別の『三角形』として分離する。
②『学習能力増大法』
単に勉強すればいい、問題を解けばいいでは〈学力〉の向上は遅々としたものです。意識的、意欲的に、焦点を絞ってそれぞれの局面を強化していければ、学習能力は大きく増大し、さらに大きな場所に出て行けると思います。
ポイント ①意欲興味
②目標目的
③集中力持続力
↓
拡大三角形法へ⇒さらに拡大する。
③『知識の増殖』 (何の為に勉強するのか)
1.『中央志向』
地方に居て、情報が不足していたり、情報の速度がワンサイクル遅れてしまうようなとき、『中央志向』(「東京へ行こう」)は理の当然です。勉強の環境としての人とモノ、図書館利用や本屋さん利用も地方ではかなり低いでしょう。
2.『上昇志向』
幼稚園から大学へ、それぞれの段階におけるランクが多種多様に広がっています。少しでも学習環境のいい、将来のリーダー、トップへと進めるコースを願う『上昇志向』。
中央志向と上昇志向は、明治5年の学校制度以来の『出身出世主義』です。エリート、キャリア志向、いろいろなところで『勉学』の大きなモチーフとなっています。資格試験や検定試験も自己啓発本も、「頭のいい人の・・・・本」その他目白押しです。門戸、門閥に関係なく『努力』(?)しだいで偉くなれるという信仰は、極めて民主主義的ではあります。しかし機会均等は建前であって、現代の現在の状況下では、必ずしも平等というわけではありません。
大事なのは、『大臣』、『博士』へ出世、昇進(?)することではありません。『知識』のありかたです。
三角形のピラミッドの頂点に至る『知識』は逆三角形をつくります。この知識を何のために、誰のために、どう応用するのかが問題なのです。(己一個のための知識はディレッタントに任せればいい。)この知識をもって下向しさらに地方へ、辺縁に生かすことが知識ではなく、知識を荷うひとに問われるべきです。
『努力』ということが問題となるのはこの下向志向、辺縁志向においてなのです。
地方に居て、情報が不足していたり、情報の速度がワンサイクル遅れてしまうようなとき、『中央志向』(「東京へ行こう」)は理の当然です。勉強の環境としての人とモノ、図書館利用や本屋さん利用も地方ではかなり低いでしょう。
2.『上昇志向』
幼稚園から大学へ、それぞれの段階におけるランクが多種多様に広がっています。少しでも学習環境のいい、将来のリーダー、トップへと進めるコースを願う『上昇志向』。
中央志向と上昇志向は、明治5年の学校制度以来の『出身出世主義』です。エリート、キャリア志向、いろいろなところで『勉学』の大きなモチーフとなっています。資格試験や検定試験も自己啓発本も、「頭のいい人の・・・・本」その他目白押しです。門戸、門閥に関係なく『努力』(?)しだいで偉くなれるという信仰は、極めて民主主義的ではあります。しかし機会均等は建前であって、現代の現在の状況下では、必ずしも平等というわけではありません。
大事なのは、『大臣』、『博士』へ出世、昇進(?)することではありません。『知識』のありかたです。
三角形のピラミッドの頂点に至る『知識』は逆三角形をつくります。この知識を何のために、誰のために、どう応用するのかが問題なのです。(己一個のための知識はディレッタントに任せればいい。)この知識をもって下向しさらに地方へ、辺縁に生かすことが知識ではなく、知識を荷うひとに問われるべきです。
『努力』ということが問題となるのはこの下向志向、辺縁志向においてなのです。